【訪問看護師のワンポイントアドバイス】冬場も“水分不足”に注意を
アミューズ富永 訪問看護ステーション岡山南 の看護師から、健康にお役立ていただける情報をご紹介いたします。
冬の風邪予防に水分補給が大切な理由
水分補給が必要なのは、汗をかきやすい夏場だけではありません。実は冬場も水分が不足しがちになります。
冬場は空気の乾燥により体表の水分が蒸発し、また喉の渇きも感じにくいため、気づかないうちに水分不足になっていることがあります。水分が不足すると脱水症状を招くほか、喉が乾燥して風邪をひきやすくなるため、予防のためにもこまめに水分補給することが大切です。
冬にも注意したい脱水症状
脱水症状といえば夏場をイメージしますが、危険なのは逆に冬場だといわれています。
空気が乾燥すると、皮膚や粘膜などから水分が蒸発し、気づかないうちに体内の水分が失われていきます。特に空気が乾燥しやすい室内のほうが脱水症状になりやすいといわれており、汗をかかず喉の渇きもあまり感じられないため、予想以上に脱水症状が進行していることがあります。
脱水の主な症状としては、「めまい」「立ちくらみ」「唇の渇き」「意識低下」「尿の量が少なく、色が濃い」などがあげられます。このような症状が出た場合は、脱水状態になっている可能性があるので、早急に水分を補給しましょう。
冬になると風邪をひきやすい理由
脱水状態になると気道の粘膜にあるせん毛が乾燥し、風邪をひきやすくなります。
通常、ウイルスは口や鼻から空気と一緒に入り込みますが、せん毛がウイルスを絡め取り、咳や痰となって体外へ排出されます。
しかし、体内の水分が不足するとせん毛が乾燥し、粘膜細胞にウイルスが付着しやすくなります。付着したウイルスは体外に排出されずに約20分で体内に侵入するそうです。これにより、外からのウイルスの侵入を防げず風邪をひいてしまうのです。
このほか、冬に風邪をひきやすい理由には免疫力の低下もあげられます。
免疫力とは、外から侵入してきた細菌やウイルスなどを撃退する自己防衛システムのこと。冬は乾燥によって水分が失われがちなので、血流が悪くなります。それに伴い、免疫力をつかさどる白血球の働きも悪くなってしまうので、細菌やウイルスを撃退できずに風邪をひきやすくなるのです。
くわえて、冬は体温が下がりやすい季節です。体温が1℃下がると免疫力が30%下がるといわれているので、この点からも冬は風邪をひきやすいといえます。
いかがでしたか?よろしければ冬の健康づくりのご参考にしていただければと思います。